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関取花──独自の詞世界を美しい声で紡ぐ、24歳のシンガー・ソングライター

2015.09.21

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太陽の下ぼんやりした頭で
思い浮かべたあの子の笑い声で
ああ うずき出す

かさぶたみたいなだましだましの日々で
上手くかぶってきたつもりの殻まで
ああ 破れてく

あの子はなんて言うだろう
本当のことを知ったなら
(「変身」より)



1990年生まれの女性シンガー・ソングライター、関取花。幼少期をドイツで暮らし、日本に帰国後、高校在学中から音楽活動をはじめたという彼女。2009年に出場した〈閃光ライオット〉で審査員特別賞を受賞し注目を集めるようになる。2010年には初のミニアルバム『THE』をリリース。2012年からはコンスタントに音楽を発表しながら、野外フェスへの出演をはじめとするライブ活動も精力的に展開。2014年2月には野村卓史(グッドラックヘイワ)、岡田拓郎(森は生きている)が参加した3作目となるミニアルバム『いざ行かん』を発表し、高い評価を集めた。

2015年9月に発表された、彼女にとって初となるフル・アルバム『黄金の海であの子に逢えたなら』には、ファンファン(くるり)、MC.sirafu(ザ・なつやすみバンド、cero他)、田中佑司(bonobos 他)、谷口雄(森は生きている 他)、john john festivalら、個性あふれるミュージシャン勢が参加。幼い頃にドイツで聴いたトラディショナル・ミュージックやヨーロッパ民謡から影響を受けたという彼女の歌と呼応するように、ケルト音楽やアパラチアン・ミュージックを素地にしたサウンドが印象的だ。しかし、ルーツ・ミュージックをそのまま焼き直したものとは違う、斬新なアプローチが随所に見受けられるポップ・センスが光る。

大らかなサウンドの中で伸びやかな歌声を聴かせる関取花だが、彼女が綴るリリックは、やるせないモヤモヤも、ドロドロとした葛藤も、日々の暮らしでふと浮かぶ毒気もありのままにさらけ出す。それはまるで、24歳のうら若き乙女の深層心理から発露したブルースのようにも聴こえる。美しい声の奥に、悩みも辛さも歌い飛ばして生きていく、女性の強さを感じた。


あんたに出会わない人生があれば
母の腹からやり直したい

あんたに出会わない人生があれば
腹の底から笑ってやりたい

ああ 悲しいことは消えはしないけど
あんたのことは忘れられないけど
だけど
(「dawn(album version)」より)



関取花『黄金の海であの子に逢えたなら』

関取花
『黄金の海であの子に逢えたなら』

(dosukoi records


関取花 official website
http://www.sekitorihana.com/

関取花「流れ星」 MV
関取花‪『黄金の海であの子に逢えたなら』アルバム ダイジェストムービー‬

Live Schedule
9月27日(土)東京・新宿プーク人形劇場
昼の回(弾き語り)/夜の回(フルバンドセット)
10月7日(水)大阪・梅田シャングリラ(バンドセット)
11月02日(月) 東京・吉祥寺スターパインズカフェ(フルバンドセット)
詳しくは 関取花 official website をご確認ください。

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