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「TAP the COLOR」連載第36回
優れた写真家やデザイナーたちには、コンクリートでさえ芸術や文学に変えてしまう力がある。伝説のデザインチーム、ヒプノシスのストーム・トーガソンは言う。「創作とは小さな心の旅のようなものだ」と。一枚のジャケットから壮大な物語が始まる理由が、そこにある。
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ザ・フー『Who’s Next』(1971)
モッズバンド、文学的なロックオペラ、大音量と破壊的なライブバンドなど様々な顔を持つ彼らの70年代の金字塔。シンセサイザーのイントロが有名な「Baba O’Riley」収録。なお、印象的な立ちションジャケは、ストーンズやビートルズを撮った写真家イーサン・ラッセル。
ドゥービー・ブラザーズ『The Captain and Me』(1973)
途切れた高速道路の下に19世紀の馬車。彼らの音楽性を象徴するかのような印象的なジャケット。ドゥービーズの初期代表作として、「China Grove」「Long Train Runnin’」といったロッククラシック収録の名盤として必ず取り上げられる作品。これぞアメリカンバンド。
ピンク・フロイド『Wish You Were Here』(1975)
超ロングセラー『狂気』の後にリリースされた最高傑作。彼らの定番であるタイトル曲や大作「Shine On You Crazy Diamond」収録。バンドの創始者でありながら孤独な世界へと引き蘢ったシド・バレットの呼吸と幻影が漂う。ジャケットデザインは伝説のヒプノシス。
ミューズ『Absolution』(2003)
その伝説のデザインチーム、ヒプノシスのリーダーであるストーム・トーガソンがジャケットワークを手掛けたことでも有名な、今や世界的バンドとなったミューズの大出世作。こちらの作品にはクラシックピアノ界の狂気、ラフマニノフの絶望ムードと一筋の光が漂う。
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