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「TAP the COLOR」連載第55回
1970年代後半〜1980年代半ばにかけて放たれたパワーバラードたち。ボストン、ジャーニー、スティクス、カンサス、フォリナー、エイジア、REOスピードワゴン、サバイバー、ラヴァーボーイといったバンドは売れ筋の「産業ロック」と揶揄されたり、レコード会社による「マーケティングの産物」と音楽的にはまともな評価はされなかったが、彼らを洋楽の入り口にした人は多いだろう。口ずさめるメロディはリスナーの心に残り続けるもの。2000年代以降、親しみやすい曲の数々はTVドラマや映画で使用されている。
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ボストン『Don’t Look Back』(1978)
デビュー作を全米だけで1700万枚以上を売った、マサチューセッツ工科大学出身のトム・ショルツ率いるプロジェクトのセカンド(本作は700万枚以上)。シンセサイザーもコンピューターも使わずして、今聴いても色褪せない音世界の創造は驚異的。
REOスピードワゴン『Hi Infidelity』(1980)
1971年にデビューするも、売れずに地道なツアー活動を続けていた彼ら。しかし本作で遂にその成果が。アルバムは15週間全米1位、結果的に900万枚以上のセールスを記録。アートディレクションはイーグルスやリンダ・ロンシュタットの仕事で知られるジョン・コッシュ。
エイジア『Alpha』(1983)
デビュー作がいきなり9週間全米1位となった、イエスとキング・クリムゾンとEL&Pの元メンバーによるスーパーグループのセカンド。英国プログレッシヴとポップのブレンド。ジャケットのアートワークはイエス時代からお馴染みのロジャー・ディーン。来日公演も頻繁に行う。
フォリナー『Agent Provocateur』(1984)
アメリカ人とイギリス人で結成。それまでのオリジナルアルバムがすべて大ヒットを記録していたが、ナンバーワンヒットには恵まれず。しかし、3年半ぶりにリリースした本作収録の「I Want to Know What Love Is」で遂に達成。MTV全盛期の忘れ得ぬバラードナンバー。
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