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「TAP the COLOR」連載第58回
古くからブルースの中心地として知られてきたシカゴの街。1945年の戦後以降、新しい仕事場を求めて南部出身のブルースマンたちがやって来る。南部感覚=ダウン・ホームが開花。バンド・ブルースを築いたマディ・ウォーターズ、リトル・ウォルター、ハウリン・ウルフらの活躍は、チェスレコードを描いた映画『キャデラック・レコード』に詳しい。そして50年代後半にはモダン・シカゴ・ブルースが輝き出す。オーティス・ラッシュ、バディ・ガイ、12月1日が命日だったマジック・サムなどだ。
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マディ・ウォーターズ『The Best of Muddy Waters』(1958)
シカゴ・ブルースの王者、マディの初アルバムにして歴史的名盤。名門チェスレーベルの歩みはこの男から始まった。故郷ミシシッピのデルタ・ブルースを心にシカゴへ渡り、都市向けに電気化したボトルネックギターでバンドサウンドへ。すべてが重要。
リトル・ウォルター『The Best of Little Walter』(1958)
そのマディのバンドでハーモニカの腕を鍛え上げたリトル・ウォルターの、こちらも歴史的名盤。電気化するアンプリファイド・ハープを世に広めたブルースマン。酒と喧嘩に明け暮れる様子は映画『キャデラック・レコード』で。マディ以上にヒット曲を放った。
オーティス・ラッシュ『The Essential Otis Rush – The Classic Cobra Recordings 1956-1958』(2000)
シカゴ・ブルースの新世代オーティスの伝説的なコブラ・レコーディングス。ブルースが持つ全ての感情がここに収まっている。「I Can’t Quit You Baby」「Double Trouble」「All Your Love」など大物ロックバンドたちがカバーしまくったスタンダードが聴ける。
バディ・ガイ『I Was Walking Through the Woods』(1974)
ギターを弾きまくる。しかも感情ギリギリですべてを捧げながら。バディこそまさにそんなブルース・ギタリスト。特にスローブルースでその個性は発揮され、本作での「Stone Crazy」でのプレイは凄い。ジミヘン、クラプトン、SRVに多大な影響を与えた。
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