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「TAP the COLOR」連載第258回〜MONOCHROME〜
(5月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック/ポップ:フランク・シナトラ、ペリー・コモ、サミー・デイヴィス・ジュニア、ジーン・クラーク、キース・レルフ、ポール・バターフィールド、グレッグ・オールマン、グラハム・ボンド、ロビン・ギブ、イアン・カーティス、ロニー・ジェイムス・ディオ、アダム・ヤウク、クリス・コーネル
カントリー/フォーク:エディ・アーノルド、キース・ホイットリー、エディ・ラビット
ブルーズ/R&B/ソウル:サニー・ボーイ・ウィリアムソン、エルモア・ジェイムス、B.B.キング、ロイ・ブラウン、ジョニー・ギター・ワトソン、ドナ・サマー、ドナルド・ダック・ダン
ジャズ:デューク・エリントン、コールマン・ホーキンス、ブルー・ミッチェル、ポール・デズモンド、チェット・ベイカー
その他:ボブ・マーリィ、マレーネ・ディートリヒ
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デューク・エリントン『The Essential』
1927年12月に新装したNYのコットンクラブと契約して出演した時から、デューク・エリントン楽団の伝説は始まった。以後5年間、この空間で響かせたジャングル・サウンドで人気と名声を確立。ビッグバンド界の頂点に君臨。ジャズ史においてはいわゆるモダンジャズ以前の巨匠の一人として語られることが多いが、音楽界全体に与えた影響は計り知れない。本作はキャリアをまとめたアンソロジー。有名な「A列車で行こう」も収録。1974年5月24日死去、享年75。
エルモア・ジェイムス『The Sky Is Crying:The History of Elmore James』
オープンDチューニングによる豪快なスライドで3連符を鳴らすギター・スタイル、いわゆるブルーム調でブルーズ界の伝説の一つになったエルモア・ジェイムス。そこにねっとりと粘着力のある独特のヴォーカルが絡みつく。一度聴いたら忘れられなくなる強烈なブルーズは、あのロバート・ジョンソンから教わったもの。本盤は彼の足跡を収録した数あるアンソロジー盤の一つ。1951〜1961年の録音を中心とした全21曲。オープニングはもちろん初録音でヒットした「Dust My Broom」。1963年5月24日死去、享年45。
エディ・アーノルド『The Complete Us Chart Singles 1945-1962』
カントリーとポップの橋渡し、最初のクロスオーバー・アーティストとしてエディ・アーノルドの名は歴史に刻まれた。1945年にデビュー。以後80年代まで大量のヒットをカントリーチャートに送り込んだ。本作は全盛期のヒットをコンプリートした編集盤。余談だがリバー・フェニックスとキアヌ・リーヴス主演のロードムービーの名作『マイ・プライベート・アイダホ』のオープニングで、アーノルドの「The Cattle Call」が使われている。2008年5月8日死去、享年89。
ペリー・コモ『The Essential』
1940〜50年代にフランク・シナトラと並ぶ人気歌手として君臨したペリー・コモ。本作は彼のキャリアを総括したアンソロジー。1943年から10年間で放ったナンバーワン・ヒットは11曲、トップ10ヒットは39曲にも及ぶ。これはソロ歌手としてはビング・クロスビーに次ぐ大記録で、チャートの上ではシナトラを相手にしなかった。アメリカン・ポピュラー・ミュージックの黄金期に耳を傾ける時、絶対に外せない歌い手。2001年5月12日死去、享年88。
【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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