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ロックの殿堂入り1999〜ブルース・スプリングスティーン/ビリー・ジョエルほか

2016.09.28

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「TAP the COLOR」連載第153回

1986年から始まった「ロックの殿堂」(Rock and Roll Hall of Fame) は、デビュー25年以上のミュージシャンやバンドを対象としているが、1999年のセレモニーではポール・マッカートニー、ビリー・ジョエル、ブルース・スプリングスティーン、カーティス・メイフィールド、デル・シャノン、ダスティ・スプリングフィールド、ザ・ステイプル・シンガーズらが殿堂入りした。

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35680-55344526d7169-l ポール・マッカートニー『All the Best!』(1987)
生ける伝説であるポールがそれまでのキャリアを振り返った1987年のベスト盤。1970年以降のウイングス時代やソロでのヒット曲を網羅した。ここで2016年現在のチャート上での記録を振り返ってみよう。ナンバー1シングル/9曲。トップ10シングル/14曲。ナンバー1アルバム/7枚、トップ10アルバム/12枚。シングルに関しては1曲を除いてすべて1985年までに達成したもの。そういう意味で「No More Lonely Nights」などでポールに触れた世代にとっては、本作の存在意義は高かった。


81rgoblqokl-_aa1500_ ビリー・ジョエル『Greatest Hits Volume I & Volume II』(1985)
そんなポールに大きな影響を受けたピアノマン、ビリー・ジョエルのキャリアを振り返った1985年のベスト盤。1973年からのヒット曲を完全網羅した人気盤で、アメリカでは最も売れたベストアルバムとして知られている。1993年の『River of Dreams』以降はオリジナルアルバムの制作がなく、引退状態が続くビリー。ナンバー1シングル/3曲、トップ10シングル/10曲、ナンバー1アルバム/4枚、トップ10アルバム/7枚。待望の新作が届く日は果たしてやって来るのか?

bruce-springsteen-greatest-hits-delantera-932x932 ブルース・スプリングスティーン『Greatest Hits』(1995)
ボス初めてのベスト盤はキャリア20年を振り返った。本作の目玉は最後に並んだ4曲の新曲や未発表音源。Eストリート・バンドの面々と久しぶりに共演して話題になった。選曲数が少ないのでボスの魅力に浸るのにはあまりにも物足りないが、それでも冒頭の「Born to Run」や「Thunder Road」を聞くとそんなことはどうでも良くなってしまう。それまでの寡作ぶりが嘘のように、2000年代以降は精力的に新作をリリースし続け、新しい世代のファンを獲得中。ナンバー1アルバム/11枚、トップ10アルバム/7枚。

60832 ブルース・スプリングスティーン『Chapter and Verse』(2016)
9月27日に自伝本『ボーン・トゥ・ラン ブルース・スプリングスティーン自伝』(解説はTAP the POPでもおなじみの五十嵐正氏)が世界同時発売されたばかりのボス。それと連動して23日には自伝のサウンドトラック的なコンピレーション『チャプター・アンド・ヴァース』もリリース。18曲の中にはデビュー前(10代の頃に組んでいたバンドなど)の貴重な音源も収録されており、ファンなら手に入れておきたい1枚。いずれ映画化も期待されるプロジェクトだ。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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http://www.tapthepop.net/author/nakano
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