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スリー・ドッグ・ナイトの「Joy to the World(喜びの世界)」が日本で発売された日

2019.04.25

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1971年(昭和46年)4月25日、スリー・ドッグ・ナイトの「Joy to the World〜喜びの世界」(東芝音工)が日本で発売され、その年の洋楽チャートにおいて首位を獲得した。
同年の洋楽/邦楽ヒットソングといえば…

【洋楽】
1位「Joy To The World 」/ スリー・ドッグ・ナイト
2位「Maggie May」/ロッド・スチュワート
3位「It’s Too Late」/キャロル・キング

【邦楽】
1位「わたしの城下町」/小柳ルミ子
2位「知床旅情」/加藤登紀子
3位「また逢う日まで」/尾崎紀世彦

NHK総合テレビが全番組カラー化を実施し、『仮面ライダー』の放映がスタート、第48代横綱・大鵬が引退表明し、マクドナルド日本第1号店が銀座にオープン、そしてアポロ14号の月着陸に世界中が湧いた年でもある。

ジェレマイアは酔っぱらいだった
俺の親友だった男だ
完全に酔っぱらっていて何を言っているのか分からない
だけど奴がワインを飲むのを手伝ってやったんだ
奴はいつも良いワインを持っていたからね

歌でも唄うか!
世界に喜びを!
すべての少年と少女に!
深く青い海に棲む魚達にも喜びを!
君と俺にもね!


冒頭からジェレマイア=『旧約聖書』に出てくるユダヤの預言者を登場させて、その人物を“bullfrog(ウシガエル)”=酔っ払いと喩えるような癖のある歌詞と、突き抜けるようなポップなメロディーで、世代を超えて多くの音楽ファンに愛され続けてきた名曲である。
まず、この“スリー・ドッグ・ナイト”という奇妙なバンド名は何を意味しているのだろう?
オーストラリア大陸の先住民であるアボリジニが、寒さの厳しい夜には3匹の犬と寝るという風習にちなんで付けられた名前だという。
彼らは、ダニー・ハットン、チャック・ネグロン、コリー・ウェルズの3人を中心としたヴォーカルトリオで、1967年に結成された。
グループのメンバーは7人で、ヴォーカルの3人の他、ギター、ベース、ドラム、キーボードを担当するメンバーで構成されていた。
彼らの全盛期は70年代だった。
70年代初頭、ジェームス・テイラーやキャロル・キングといった才能溢れるシンガーソングライター達の登場で、ロック&ポップス界はアーティスト自身が自作の曲で勝負する時代に突入した。
60年代のアーティストはビートルズやストーンズでさえ、ブルースやR&Bのカバーを多く取り上げていたのだが、だんだんと身近な出来事や日常生活を歌にすることが主流になっていく。
そんな過渡期とも言える1968年にデビューした彼らは、あえてカヴァー曲を中心とした“時代の逆行する”スタイルで成功した面白いグループだった。
当時、あまり知られていなかったソングライターの曲を取り上げた彼らは、次々とヒットを生み出していった。
そのおかげで多くの埋もれていた才能あるソングライター達にスポットライトが当たったことは、ポピュラー音楽界にとって素晴らしいことだったと言えるだろう。


「Joy to the World(喜びの世界)」は、ホイト・アクストンというアメリカのシンガーソングライター、が書いた楽曲である。
ホイト・アクストンといえば、ロバート・デ・ニーロ主演の映画『俺たちは天使じゃない』(1989年)で、名脇役を務めた俳優としても知られている男である。
また彼の母親のメイ・ボーレン・アクストンは、トミー・ダーデンらと共にエルヴィス・プレスリーのヒット曲『ハートブレイク・ホテル』を共同で手掛けたことでも有名な人物だ。
元々は子供向けのテレビアニメの特別番組『The Happy Song』のために書き下ろされたというこの曲。
番組が制作中止となったため、当時勢いの乗っていたスリー・ドッグ・ナイトに提供されたのだ。
当時、作者のアクストンがスリー・ドッグ・ナイトのオープニングアクトを務めた際に、バンドがこの曲を耳にしたことが楽曲提供のきっかけだったという。
日本盤のシングルレコードのジャケットにも書かれているとおり、彼らは同曲で全米第1位の座を6週連続でキープするほどの輝かしい記録を打ち立てている。
同年、ビルボード誌の年間チャートでも最高順位に選ばれた、まさに“空前の大ヒット曲”である。

もし俺が世界の王様だったら
何をしたいか君に教えるよ
車社会をこの世界から無くす
すべての障害を取り払い そして戦争も無くす
君と甘い恋に落ちるんだ

さぁ歌おう!
世界に喜びを!
すべての少年と少女に!
深く青い海に棲む魚達にも喜びを!
君と俺にもね!








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