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中村まり

2014.01.06

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『Beneath the Buttermilk Sky』とは、中村まりが2009年にリリースしたセカンド・アルバムのタイトル。〈くもり空の下〉という意味を表すこの題名は、決して派手な明るさや熱さはないが、淡々と過ぎゆく日々の暮らしの大切さや美しさを繊細なギター演奏と歌声で紡いでいく、彼女自身の音楽をとても上手く表したフレーズだ。

中村まりは、1977年生まれのシンガー・ソングライター。ミドルティーンをアメリカ・オハイオ州で過ごした彼女は帰国後バンド活動をはじめるが、次第にカントリー・ブルースやブルーグラスなどのオールド・タイミーな音楽に惹かれていく。それは、彼女自身が少女時代になんの気なしに眺めていた『トム・ソーヤーの冒険』や『大草原の小さな家』などの物語で接したアメリカ文化や、アパラチア地方が舞台とされるシルバニア・ファミリー人形で遊んだ幼い頃の記憶などがいろいろと積み重なって、自然と辿り着いた音楽的志向のようだ。

一人で歌いながら弾ける方法をカントリー・ブルースのスタイルに見出し、ステファン・グロスマンの教則映像などを参考にしながらアコースティックギターの奏法を習得していったという彼女。ロン・セクスミスやノラ・ジョーンズのような同時代を生きるアーティストと並行して、ミシシッピ・ジョン・ハートやエリザベス・コットン、ドク・ワトソンといった、アメリカン・ルーツ・ミュージックの礎を築いてきたミュージシャンたちの音楽からもダイレクトに影響を受けながら、中村まりは自身のスタイルを確立していく。

2002年に完全自主制作によるアルバムを発表し、2005年2月にはMule Recordsよりファースト・フル・アルバム『Seeds To Grow』をリリース。弾き語りによるソロ・ライブをはじめ、多くのミュージシャンとのセッション活動も展開。目を見張るほどに卓越したギター演奏とやさしく沁み入るような歌声は、耳の早いリスナーの注目を集め、フジロックやライジングサンなどの野外フェスにも次々に出演を果たしている。

2011年にはギタリストの桜井芳樹、バンジョーの原さとしらによる4人組の弦楽器楽団=ロンサム・ストリングスと共同制作したアルバム『Folklore Session』を発表。北アメリカで古くに生まれたフォーク、ブルース、トラディショナル・ナンバー(中には1920年代に歌われた「The Cuckoo Bird」といった楽曲まで)をカバーし、新たな息を吹き込んでいる。

古き良き時代のアメリカ音楽を伝承しながら、今の気分に寄り添う歌を奏でる中村まり。彼女の音楽は、急速に流れていく現代が見失いがちな何かを、そっと気付かせてくれる。

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中村まり『Beneath The Buttermilk Sky』
Mule Records
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Lonesome Strings and Mari Nakamura『Afterthoughts』
MIDI
中村まり official website
http://www.marinakamura.net/

中村まり with 安宅浩司 Live at SHIBUYA QUATTRO 2013
中村まり「Our Blue」(Live)
Lonesome Strings and Mari Nakamura『Afterthoughts』Trailer
Live information
“Highway 246 Revisited vol.1”
おおはた雄一トリオ × 中村まり


1月25日(土)表参道CAY
open/start 18:00 Live start 19:00
前売 3000円 当日 3500円(+order)

出演
おおはた雄一トリオ 【with 芳垣安洋(dr)、伊賀航(b)】
中村まり 【with 安宅浩司(g)】
DJ
小尾隆(音楽著述業)/宮内健(ramblin’)/矢川俊介

問い合わせ:CAY 03-3498-5790

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