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ジョニ・ミッチェルの哲学的な歌詞、「Both Sides Now / 青春の光と影」

2014.01.10

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1967年3月の初頭、ジョニ・ミッチェルは後にノーベル賞を受賞する作家、ソール・ベローの「Henderson the Rain King(雨の王ヘンダソン)」を読んでいた。
その文中に書かれていた一行から、彼女は強いインスピレーションを受け取った。

人が雲を見上げ、また見下ろせるようになった時代に、死ぬことなど恐れるに足らずだ

その本を最後まで読み終えることなく、すばやく書き上げた曲が「Both Sides Now」(青春の光と影)だ。

それから数日後、その曲をミッチェルはステージで歌った。
どこのレコード会社とも契約がなかったミッチェルだが、ニュー・ヨークのグリニッジ・ヴィレッジで歌っていた女性フォークシンガー、ジュディ・コリンズによって才能を見出される。

その年の10月、ジュディは7枚目にして最大のヒットとなるアルバム、『Wildflowers』を発表する。
当時のフォーク・リバイバルの支柱的存在だったウディ・ガスリーやピート・シーガーのトラディショナル・ソングをメインにしながら、新しいフォークの流れも取り入れていたアルバムで、ミッチェルの作品も2曲収録された。
そのうちの1曲が「Both Sides Now」(青春の光と影)で、トップ10ヒットとなった。
作者として有名になったミッチェルもシンガー・ソングライターとしてデビュー、1969年にリリースされた二作目のアルバム『Both Sides Now』(青春の光と影)に、自身の歌が収められている。

しかしデビューしたことでミッチェルは、思わぬ批判を受けることになった。
すべてのものごとや現象には、表と裏、光と影があるという哲学的な歌詞の作者が、あまりに若く見えたからだ。

「沢山の人に『あなたは一体人生の何を知ってるの?』って言われた。14歳ぐらいに見える20歳そこそこの若い娘が『人生を両面から眺めた』って口にしたことが、思いあがっているように見えたみたい」

「青春の光と影」は今、フランク・シナトラからカーリー・レイ・ジェプセンまで様々なアーティストにカヴァーされる、世界のスタンダード・ナンバーとなっている。

Judy Collins / Both Sides, Now

Joni Mitchell / Both Sides, Now

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