★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第42回
かつて1967年のサマー・オブ・ラブでは、花は愛と平和な世界に対するシンボルとしてヒッピーたちに愛された。今回はアルバムジャケットに花が描かれている名作をチョイス。そこに咲いているのは、創作の歓び、祖国への回帰、暗黒と甘美、ロックの復権といった美学たち。
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トッド・ラングレン『Something/Anything?』(1972)
ロックの知的良心・トッドの初期の傑作としても知られる音楽史に輝く名盤。ほぼ一人で演奏(後半の数曲を除く)して仕上げた。珠玉のバラード作品「It Wouldn’t Have Made Any Difference」は、キャメロン・クロウ監督の『あの頃ペニー・レインと』で使用された。
シン・リジィ『Black Rose: A Rock Legend』(1979)
フィル・ライノットとゲイリー・ムーアの美学が貫かれるシン・リジィの代表作。「ダニー・ボーイ/ロンドンデリーの歌」などアイルランド民謡4曲がアレンジされたアルバムタイトル曲が収録されていて、二人の祖国への原点回帰がクライマックスに謳い上げられる。
デペッシュ・モード『Violator』(1990)
英国だけでなく世界的に大成功を収めた彼らの最高傑作。全米7位・300万枚以上を売った。1981年のデビュー以来、エレクトロニック・ポップの伝説としてスマッシング・パンプキンズやコーンなど数多くのバンドがリスペクト。暗黒と甘美のパラレルワールド的サウンド。
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『Blood Sugar Sex Magik』(1991)
レッチリのワーナー移籍第1弾にして、世界的ブレイクとなった大ヒット作。1990年代のロック復権とオルタナティヴの代名詞的作品でもある。従来からのファンクやラップのミスクチャー感覚がより洗練。プロデュースがリック・ルービンというのも当然の選択だった。
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