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「TAP the COLOR」連載第121回
どれだけロックスターやポップスターになっても、そのルーツはカントリーミュージックにある歌姫たち、あるいはカントリーを心から愛する歌姫たちがいる。カントリー・ロックの草分け的な存在だったリンダ・ロンシュタットから、現在最も影響力のあるポップスター、テイラー・スウィフトまで、その魅力はあまりにも眩しい。
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リンダ・ロンシュタット『Hasten Down the Wind』(1976)
1960年代後半にストーン・ポニーズのメンバーとしてデビュー。69年にソロ活動開始して以降、カントリーシンガーとロックスターの二面性を保ちながら1970年代を代表する歌姫となったリンダの全盛期時代のヒット作。カーラ・ボノフ、ウォーレン・ジヴォン、ライ・クーダーらの曲を取り上げつつ、ウィリー・ネルソンの「Crazy」でカントリーへの愛を歌う。70年代のリンダのアルバムにハズレなし。
ミシェル・ブランチ『Everything Comes and Goes』(2010)
2001年に17歳でメジャーデビュー。ブリトニーらに代表されるティーン・ポップ全盛の中で、ギターをかき鳴らすその姿はゼロ年代ロックのトキメキだったミシェル・ブランチ。2004年にはジェシカ・ハープとのカントリーデュオでヒットを飛ばした。本作はカントリー路線のEP。待望のニューアルバムはいつ届けられるのか? テイラー登場以前、こんな並外れた才能がいたことを忘れたくない。
テイラー・スウィフト『1989』(2014)
昨日発表された第58回グラミー賞で、史上初の快挙となる女性アーティストによる「年間最優秀アルバム」(本作)をはじめ三冠に輝いたテイラー・スウィフト。ポップ路線全開で純粋なカントリーファンからは賛否両論が起こったが、SNSを使いこなす自立したポップスターとしてのポジションとして避けて通れないアプローチだったのだろう。次作がどういった表情になるのかが楽しみだ。
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テイラー・スウィフト〜カントリー音楽を愛するソーシャル時代のポップスター
サウンドトラック『Country Strong』(2010)
日本では劇場未公開のカントリー映画で、DVDのみのリリース。こういった良質な作品がスクリーンで観られないのは本当に残念だが、本作は未公開が不思議なくらいのオススメ度。ハリウッド女優のグウィネス・パルトローが女性カントリースターに扮していることも話題になったが、カントリー界のスーパースター、ティム・マグロウが出演していることにも注目。サントラ盤である本作はとても聴きやすい内容で、カントリーの魅力が詰まっている好盤。
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