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11月のナンバーワンアルバム④〜ドナ・サマー/レディー・ガガほか

2017.11.15

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「TAP the COLOR」連載第220回〜PINK〜

1990年代以降、ビルボードのアルバムチャートは売り上げに基づいた集計方法に変わった。さらにゼロ年代に入るとネット配信が普及してCDやアルバムが売れなくなった。その影響もあって現在のチャートはほぼ毎週のようにナンバーワンが入れ替わり、すぐにトップ10圏外へランクダウンしてしまう(その代わりに年に数枚だけビッグヒットが生まれる)。だが70〜80年代はナンバーワンになること自体が困難で、言い換えればそれらは「時代のサウンドトラック」として確かに機能していた。11月にはどんなアルバムがナンバーワンになったのだろう?


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リンダ・ロンシュタット『Living in the USA』(1978)
若きシンガー・ソングライターたちの曲を取り上げながら、数々のカバーソングやプラチナレコードで時代を駆け抜けたリンダの70年代最後のスタジオ録音作(1週1位)。そして彼女自身、今のところ最後のナンバーワン・アルバムでもある。ミラクルズ、チャック・ベリー、エルヴィスらR&R/R&B/カントリーのお馴染みのナンバーに加え、J.D.サウザー、ウォーレン・ジヴォン、エリック・カズらの曲も収録。デビューしたばかりのコステロの「Alison」も取り上げた。


ドナ・サマー『Live And More』(1978)
ジョルジオ・モロダーのプロデュースにより、「ディスコ・クイーン」として大ヒットを連発して1970年代後半に頂点に立ったドナ・サマー。本作はそんな頃にリリースされた2枚組ライヴで、彼女にとって初めてのナンバーワン・アルバム(1週1位)。「MacArthur Park」と「Heaven Knows」の大ヒットが生まれた。なお、ドナはポップチャートから遠ざかった90〜ゼロ年代にもダンスチャートで活躍。ヒットを飛ばし続けた。2012年5月17日に死去。享年63。

ロッド・スチュワート『Stardust: The Great American Songbook,Volume III』(2004)
日本ではいわゆる“芸能ロッカー”たちに多大な影響を与えたロッド・スチュワートは、70〜80年代の活躍が嘘のように完全に道を見失って時代遅れの存在となり、90年代が進むにつれて商業的に低迷に陥ってしまう。そんな彼が新境地を開拓したのが、2002年から始まったスタンダード・ナンバーで構成したカヴァーシリーズ。本作は自身26年振りとなるナンバーワンを達成した(1週1位)。

レディー・ガガ『Artpop』(2013)
イタリア系のお嬢様育ちであるがゆえに、NYの学校生活では周囲に馴染めなかった辛い過去を持ちながらも、次第にソングライター/パフォーマーとしての自分を高めていくために何事もタフに吸収消化。ロックスターや芸術家や詩人などから様々な影響を受けて、いわゆるワールドワイドなポップスターの代名詞的存在にまで上り詰めたレディー・ガガ。その姿勢はSNSを通じて多くのファンに影響を与え続ける。本作は彼女のサード作でもちろん1位を獲得(1週)。いじめ、LGBT、震災、エイズ、貧困といった問題にも向き合う社会貢献も活発に行うことで知られている。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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