好きなミュージシャンはジョニー・ウィンター、ブラインド・ブレイク、J.Bルノアにジェフ・ラング──ロックやブルース・マニアの中年男性のような渋い名前をフェイバリットに挙げるのは、あどけない表情を覗かせる22歳の女性だ。
2015年2月にデビューしたばかりの、シンガー・ソングライター/ギタリスト=Rei。4歳でクラシックギターを弾きはじめ、5歳でブルースに出会ったという彼女のギターからは、そんなバックグラウンドが如実に表れてる。1年ほど前から自身がYoutubeに挙げてきたカバー演奏の動画を観れば、年齢や性別の先入観も吹き飛ばすほど迫力のあるギター・プレイ、そしてルーツ・ミュージックへのあふれるほどの愛情が本物であることが伝わるはずだ。
Rei PLAYS…John Lee Hooker「BOOM BOOM」
しかし、Reiのファースト・ミニ・アルバム『BLU』を聴くと、彼女が目指すものが古いブルースの単なる焼き直しではないことがわかる。ペトロールズの長岡亮介をプロデュースに迎えた本作には、ストレートにブルースからの影響を感じさせる楽曲もある一方で、アップ・トゥ・デイトなサウンドで年頃の女性ならではのせつなさやもどかしさを歌うナンバーも同居する。プロデューサーである長岡との白熱したギター・バトルが聴ける「my mama」や、アコースティックギター弾き語りの「eutopia」で聴ける豊かな表現力など、通も唸らせる聴きどころもしっかり押さえながらも、しっかりと現在進行形のポップ・ミュージックとして着地させるフレッシュなセンスには驚かされる。
青春のど真ん中にいる二十歳そこそこの女性が奏でるブルース──ふたつの〈ブルー〉を重ね合わせて生まれた『BLU』は、まさに彼女しか表現できない、今に生きるブルースだ。
Rei official website
http://guitarei.com/
http://guitarei-blu.tumblr.com/aboutBLU
Rei「BLACK BANANA」 Short.MV