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蠣崎未来──静かな情熱を湛えた無二の歌声、注目のシンガー・ソングライターのデビュー作

2018.12.04

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穏やかな日々流れる この街は
これからも変わることなく 変わってゆくでしょう

移ろいゆく景色も 香りも優しく包んでくれるから
いつもより顔をあげて この道ゆっくり歩こう

ここにくるといつも 君に会える気がするから
いつも以上に心躍らせて この道ゆっくり歩こう
(「君といると」より)



岐阜県出身、現在29歳の蠣崎未来(かきざき・みく)。深く滋味あふれる歌声の弾き語りで全国を巡り、各地に熱狂的な支持者を増やしている注目のシンガー・ソングライターが、待望のファースト・フル・アルバム『路傍の唄』を発表した。

人前に出ることが苦手で、高校を卒業するまで音楽に触れる機会がほとんどなかったという彼女だが、大学に入ってサークルの先輩から教わったソウル・ミュージックとの出会いによって、音楽への扉が開かれた。

最初はギターも弾けなかったという彼女だが、ダニー・ハサウェイやルイ・アームストロング、さらには大貫妙子や浅川マキ、フィッシュマンズと、さまざまな曲を弾き語りでカバーしては、人前でも歌いはじめた。弾き語りの練習として楽器に触れているうち、自然とオリジナルの曲も浮かんでくるようになった。ちなみに初めて作ったオリジナル曲が、アルバム『路傍の唄』の1曲目にも収録されている「君といると」。



4年ほど前に生まれたこの曲をはじめ、彼女が作る歌は、自身の経験や対象人物への思い入れが赤裸々に表れたものだという。しかし、その表現は決して感情がむき出しになったような印象はなく、やさしい距離感を保ちながら静かに情熱を捧げるような、独特のタッチが心を揺さぶる。

2016年リリースの弾き語りライヴ盤『蠣崎未来 LIVE 2016』を経て、活動6年目にして完成した初のオリジナル・アルバム『路傍の唄』は、彼女が全幅の信頼を寄せる大阪のバンド〈ROBOW〉が奏でる、マッスル・ショールズを彷彿させるバンド・サウンドを中心に、彼女の本領である弾き語り曲も含む9曲を収録。自作曲に加えて、リーテソン、阿部芙蓉美といった面々が楽曲を提供し、蠣崎未来の歌世界を広げている。

一聴すると、これがデビュー作とはにわかに信じがたい、蠣崎未来『路傍の唄』。まるで20年、30年と愛され続けた不朽の名盤のような、豊かな余韻を味わわせてくれる。

ガラス戸越しに流れる車の姿を見て
味気ないと思ってた
ここに来るまでは

コンビニまでアイスコーヒーを買いに行くだけの
短い往復の時間をやけに気に入ってる

あなたはまるで
路傍の花よう

置き手紙をいつも添えていきたくなるような人
(「路傍の唄」より)



蠣崎未来『路傍の唄』

蠣崎未来
『路傍の唄』

(MULE RECORDS)





Live Schedule

DECEMBER’S CHILDREN EXTRA
2018年12月15日(土)東京・六本木 VARIT.(w/沖ちづる)
※第1部、第2部は各弾き語り演奏、第3部はサポートバンドとの各バンド形式演奏によるスペシャルな一夜

2018年12月7日(金)大阪・北浜 Natural Queen
2018年12月8日(土)愛知・新栄 ROLLING MAN(w/石橋ヒロキ、GIAN)
2018年12月12日(水)愛知・今池 得三(w/リーテソン)
2018年12月17日(月)東京・吉祥寺 BAOBAB(w/Mamimor a.k.a. PAPICO with Keishi Kuroishida)
2018年12月18日(火)神奈川・茅ヶ崎 FROGGIES(w/CHIEnoWArecords)
2018年12月22日(土)愛知・新栄Hunny-Bunny(w/ROBOW)


official website
http://www.kakizakimiku.com/


*本コラムは2018年6月19日に初回投稿された記事に加筆修正したものです。

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