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アナログ盤の復活に結びついたショップ発の祭典【Record store day(レコードストアデイ)】

2015.04.06

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2008年4月19日の土曜日にサンフランシスコのレコードショップ「ラスプーチンミュージック」から始まった【Record store day】は、メタリカがオフィシャルのキックオフイベントでインストア・ライブを行ったことで注目を集めた。
ニュースは全米から全英へと拡がり、それに呼応したポール・マッカートニー、ブルース・スプリングスティーン、ノラ・ジョーンズ、ピーター・ガブリエルらの有名ミュージシャン達が、続々と支援メッセージを送って参加を表明してきたのだ。

こうして西海岸のミュージックショップのオーナーが発案した企画に、インディーショップのオーナーたちが同調したことから、【Record store day】は毎年4月の第3土曜日に開催されることが決まった。

毎年、指名されるアンバサダーはメタリカ、オジーオズボーン、イギーポップ、チャック・ディーなどが歴任し、2015年はフー・ファイターズのデイヴ・グロールが就任した。



開催のきっかけは「街の小さなミュージックショップに行こう」という呼びかけだったが、この動きは世界の音楽ファンにも伝わっていった。
特にCDが求められなくなって市場から姿を消していた欧米では、アナログレコードの復活ブームの波を受けて、近年はアナログレコードの限定盤が発売される日として定着してきた。

メタリカは2015年の4月18日に開催されるレコード・ストア・デイにあわせて、バンドの最初のレコード契約につながった1982年のデモ・テープ、『No Life ‘til Leather』の完全復刻版をカセット・テープ(!!)としてリリースする。



日本は5年前から参加しているが、海外アイテムの輸入が少ないために、昨年からは独自にアンバサダーを立てている。
初年度はアジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤正文(ゴッチ)が就任、イベントの認知拡大やアナログレコードの楽しみを啓蒙する活動を行った。

木村カエラ、きゃりーぱみゅぱみゅ、サンボマスター、くるり、後藤正文の初ソロアルバムなどの作品がアナログでリリースされたことによって、昨年からレコード盤への関心も高まっている。

今年は後藤の指名を受けてTHE BAWDIESのボーカル&ベース、ROYがアンバサダーに就いた。




海外における今年のリリースアイテムはボブ・ディラン、U2、ポールマッカートニー、デビッド・ボウイ、ブライアン・イーノ、フー・ファイターズなどを筆頭に、数百ものアイテムが用意されている。

これは一昨年のニューヨークの模様を伝えるニュース。


日本国内では、THE BAWDIESの7インチ盤、セイゲン・オノによるダイレクトカッティング180グラム重量盤12インチ3枚組という坂本龍一Xフルオーケストラや、テイ・トウワ ウィズ 椎名林檎の7インチ盤、キノコホテル、Plenty、Scoobie Dooなどがリリースされる。

またブレッド&バター『ピンクシャドウ/DEVIL WOMAN』、大貫妙子『サマーコネクション/部屋』、稲垣次郎とソウル・メディア『FUNKY STUFF』、石川 晶『BACK TO RHYTHM』といった歴史的名盤の復刻も予定されている。

(文責・2015年4月 ミュージックソムリエ協会理事長 鈴木健士) 


(注)本コラムは2015年4月6日に公開されました。
なお2019年の【Record store day(レコード・ストア・デイ)】は4月13日に開催されます。https://recordstoreday.jp/


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