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ロンドンR&Bシーンの顔役〜60年代のローリング・ストーンズ

2014.02.26

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「TAP the COLOR」連載第18回

ローリング・ストーンズがデビューアルバムをリリースした1964年から、道に迷ってサイケデリック化する1967年半ばまでは、まさに“スウィンギング・ロンドン”全盛期。最先端のポップカルチャーがこの街から発信されていた。そんな華やかでカラフルな時代に、ロンドンR&Bシーンの顔役はあえて「黒の美学」で貫いていく。

それは彼らのマネージャーでありプロデューサーでもあったアンドリュー・オールダムの戦略とも言えた。同じような境遇のビートルズが“優等生”として売り出されたのに対し、ストーンズは“不良”のイメージでPRされた。言うまでもなく、ストーンズの連中(特にブライアンとキース)は演じる必要はなかったが。

彼らの初期のアルバムは、UK盤とUS盤では選曲・デザイン・リリース枚数などが異なる。しかし共通しているのは、秀逸なカバー曲がメインに占められている点。全編オリジナル曲で勝負するのは1966年の『Aftermath』から。今回はUS盤の2枚目〜5枚目までを取り上げつつ、彼らの拘りをたどってみよう。

*US盤1枚目は「BLACK vol.1 黒いスーツのデビュー盤」で紹介中。

あなたの好きな色は?〜TAP the COLORのバックナンバーはこちらから

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ローリング・ストーンズ『12×5』(1964)
2度目のUSツアーに合わせてリリースされたセカンド作。憧れの地シカゴのチェススタジオで録音された7曲とロンドン産の5曲で構成。チャック・ベリーの「Around and Around」やシングル「It’s All Over Now」「Time is on My Side」など、際立つカバー曲はやはりチェス録音。

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ローリング・ストーンズ『The Rolling Stones, Now!』(1965)
渋い「Little Red Rooster」など、ここでもカバー曲が抜群にいい。余談だが、この頃のストーンズはアメリカではバラードグループと思われていた(シングルにスローテンポの曲が多かったことが原因)。直後にリリースされたオリジナル曲「The Last Time」で、キースは自らのソングライティングに自信がついたという。
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ローリング・ストーンズ『Out of Our Heads』(1965)
US4枚目。サム・クックの「Good Times」をはじめとしたR&Bカバーを収録。一般的にはここでのハイライトはオリジナルの「(I Can’t Get No)Satisfaction」だろう。この曲もアルバムも全米で初のナンバーワンとなった。映画『欲望』のモデルにもなった売れっ子カメラマン、デビッド・ベイリーによる撮影(上記3枚とも)。
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ローリング・ストーンズ『‪December’s Children (And Everybody’s)‬』(1965)
初期ストーンズの隠れ名曲「The Singer Not the Song」や「Blue Turns to Grey」 を収録したUS5枚目。なお、クールなアルバムタイトルはアンドリュー・オールダムが考案したという(ちなみにリリースされたのは12月)。67年のメンバーのドラッグや裁判問題を機に、アンドリューはストーンズと別れた。

【執筆者の紹介】
■中野充浩のプロフィール
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