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くるりの岸田繁やハナレグミが歌い継いでいく、どんとの世界

2015.02.03

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ハワイにて永眠したどんとを偲ぶイベント『soul of どんと』は、2003年から始まったものだが、さまざまな形でフォロワーにも受け継がれてきた。

例えばくるりの岸田繁は第2回の2004年から3年連続で出演したが、必ずローザ・ルクセンブルグ時代の「橋の下」をカヴァーした。

そして2006年12月2日には自分たちが京都で主催する「みやこ音楽祭」の一環として、「ソウル・オブ・どんと」を京大・西部講堂で行ってくれた。

西部講堂といえば、1970年の大晦日に徹夜でロックフェスティバルが行われて以来、京都ではロックやカウンター・カルチャーの聖地と見なされてきた場所だ。

1970年代から80年代にかけては恒例となった大晦日のロック・フェスティバルや、「MOJO WEST」というイベントがたびたび行われて、村八分、ブルース・クリエイション、Char、内田裕也、かまやつひろし、カルメン・マキ、ウエスト・ロード・ブルース・バンド、頭脳警察、上田正樹、憂歌団、四人囃子らがステージに立った。

またザ・タイガース解散後の沢田研二が1971年に本格的なロックバンド、PYGを組んで出演したものの観客から罵声を浴びせられて、会場が大混乱に陥ったりしたこともあった。

日本のロック勢ばかりでなく、フランク・ザッパ率いるマザーズ・オブ・インベンションを皮切りに、ストラングラーズ、XTC、トーキング・ヘッズ、トム・ウェイツ、ポリスまで、外国人アーティストも西部講堂でライブを行ってきた。

そんな歴史を持つ西部講堂は、ボ・ガンボスにとってもどんとにとっても、特別に思い入れのある場所だった。(注1)

ボ・ガンボスは1992年の夏に西部講堂前の広場で、大観衆を集めてフリー・コンサートを行ったが、そのライブについてどんとは、「ボ・ガンボ史上最高の演奏であった」という文章を残している。(注2)

『soul of どんと』を全国各地でも行いたいという関係者の意向で、2006年は北海道のライジングサン・ロックフェスティバルや沖縄などでも催しが開かれた。
関西では当然のように西部講堂でということになり、それが「みやこ音楽祭」に結びついたのだった。

その日もやはり岸田繁は、「橋の下」を歌っている。
一番ふさわしい場所で、一番ふさわしいバンドをバックに、一番ふさわしい人シンガーによって、「橋の下」は歌われたのだろう。

次の動画はテレビの音楽番組「共鳴野郎」でのセッションだが、ボ・ガンボスのメンバーだった­Kyonと、ギタリストの佐橋佳幸のサポートで、岸田繁が「橋の下」を披露している。



どんとがこの世を去って14回目の命日を迎えた2014年に、沖縄県宜野湾市のカフェ・ユニゾンでは衣装や楽器などを展示した「“どんと”という情報展」が開かれた。

リアルタイムでボ・ガンボスを知らない人にも、どんとの世界に触れてもらおうという企画のオープニング・ライブに登場したのは、『soul of どんと』にもたびたび出演しているハナレグミだった。

高校生のころに初めてボ・ガンボスを聞いたというハナレグミは、初めてギターを弾いた曲もボ・ガンボスだったという、代表的なフォロワーの一人である。


生前のどんとに直接会うことはかなわなかったが、「どんとさんに今の自分をつくってもらった」と、受けた影響について語っていた。

ライブでは優しく暖かな声で「ひなたぼっこ」や「トンネルぬけて」などを歌い、途中からはどんとの息子ラキタと一緒に、「橋の下」や「夢の中」を歌ったという。

そして『soul of どんと 2010』では、岸田繁がラキタのサポートを得て「トンネルぬけて」を歌っている。

どんとが去って10年余が過ぎた現在、さまざまな動画を観ることができる。

音楽はそこからも広がり続けて、人と人をつないでいく。


(注1)GSの「トンネル天国」とボ・ガンボスの「トンネルぬけて」をつないだ村八分
(注2)憧れのボ・ディドリーとのツアーで、どんとが骨折するアクシデント


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おまけ
どんと「トンネルぬけて」 弾き語りver.
90年代前半に放送されていた、深夜の音楽番組『モグラネグラ』。その番組内のレギュラーコーナー「どんと 日本を歌う!」は、どんとがギター1本で弾き語りを披露するという企画だった。ボ・ガンボスのレパートリーの数々をはじめ、山口冨士夫が在籍したザ・ダイナマイツ、泉谷しげる、尾崎紀世彦のカバーなども歌われた。

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