TAP the ROOTS

馬鹿げたラヴ・ソングばかり書いてると非難されたポールからの返答

2015.05.28

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♪ みんな馬鹿げたラヴ・ソングに
  飽き飽きしていると
  君は思ってるようだけど
  僕のまわりを見渡す限り
  馬鹿げたラヴ・ソングで
  世界を満たしたいと思ってる
  人たちもいるんだよ      ♪


「マイ・ラヴ」や「バンド・オン・ザ・ラン」のヒットで、ビートルズ解散直後のスランプから脱したポール・マッカートニーは、コンサート・ツアーをスタートさせ、自信を取り戻す。

wings_tour

そして“ポール・マッカートニー率いるウイングス”というバンド名からポール自身の名前が外され、“ウイングス”と名乗るようになった。

だが、思わぬ矢が飛んでくる。
評論家リチャード・ゴールドスタインの「ポールはバラードしか書かない」という発言である。

ジョン・レノンはヨーコとの別居もあり、スランプに陥っていた。
ビートルズ開催後、バングラデシュのライブなどでひとり気を吐いていたジョージ・ハリスンも、アルバム「リビング・イン・ザ・マテリアルワールド」とシングル「ギブ・ミー・ラブ」のヒット以降、新たに作ろうとしたダークホース・レーベルのトラブルにより、シーンから姿を消していた。
ポールがひとり、元ビートルとしてチャートを賑わせていた時代である。
かつてのビートルズの栄光、そしてジョン、ポール、ジョージ、リンゴが作り出した奇跡的な化学変化を知る者にとっては、ポールが新たに作り出したサウンドが物足りなく聴こえた、という部分もあったのだろう。

だが、ポールはひとりの評論家だけに目くじらを立てたわけではなかった。
リチャード・ゴールドシュタインは「バラードしか書かない」とは言ったが、「馬鹿げたラヴ・ソング」とは言わなかったからである。
「ポールが書いたのは、馬鹿げたラヴ・ソングばかりさ」
ジョンがそう言ったという話がポールの耳に届いたのである。
ジョンが実際にそう発言したかどうかはさておき、その発言はまったく当たっていない。
ビートルズ最初のメッセージ・ソング「キャント・バイ・ミー・ラブ」はポールの作品だったし(過去コラム参照)、「与える愛と受け取る愛の総量は等分となる」という歌詞でビートルズのレコーディングをしめくくったのもポールだった。(過去コラム参照

♪ それに、どこが悪いっていうんだい
  知りたいものさ
  さあ僕はまた歌う
  愛してる
  愛してる
  愛してるとね        ♪


そんなポールが1976年に発表したのが「心のラヴ・ソング」だ。
ポールは、この曲について次のようにコメントしている。

「実際、人間というのは、とてもセンチメンタルな生き物じゃないか。
家でセンチメンタルな映画を見れば涙を流す。人前では、そんな姿は見せないけれどね。
同じように、人は、ラヴ・ソングが好きだとなかなか口にはしないのさ」

♪ 愛はすぐに訪れるものじゃない
  やって来ないことだってある
  でも、愛に包まれた時
  それは絶対に馬鹿げてなんか
  いないのさ
  愛は馬鹿げたものじゃない
  絶対に馬鹿げてなんかいない  ♪


「愛の伝道者」ポールの真骨頂である。
そして、6月がやってくる。。。


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