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「TAP the COLOR」連載第129回
今回はタキシードを着た男たちのアルバムジャケットを並べてみた。その音楽性は様々だが、共通するのは確固たる世界観で貫かれた作品だという点で興味深い。そして漂う音楽の色気。中でもB.B.キングは世界一、タキシードと蝶ネクタイが似合うブルーズマンだった。
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ニック・デカロ『Italian Graffiti』(1974)
AOR誕生の記念碑的作品として知られるニック・デカロの名盤。1960年代にアレンジャーとしてA&Mポップスで活躍して黄金期に貢献。本作ではスティーヴィー・ワンダー、ランディ・ニューマン、ジョニ・ミッチェル、トッド・ラングレン、ヴァン・マッコイらの曲をソフト&メロウに聴かせてくれる。この後、再び音楽業界の裏方に戻ってしまうが、デカロが創り上げたムードは70年代後半に浸透した。
ティモシー・B・シュミット『Playin’ It Cool』(1984)
イーグルスのラストアルバム『The Long Run』よりランディ・マイズナーの後釜としてメンバー加入した元ポコのティモシー・B・シュミット。解散後に出された初ソロ作では彼の甘い魅力が詰まった佳作。1982年の映画『初体験リッジモント・ハイ』のサントラに提供したヒット作「So Much In Love」も収録。
バスター・ポインデクスター『Buster Poindexter』(1987)
NYの夜景をバックにマティーニを傾ける伊達男。またの名をデヴィッド・ヨハンセン。そう、あのニューヨーク・ドールズのフロントマンだった男。バンドの解散後にソロ活動を開始。数枚のアルバムをリリース後、1987年にバスター・ポインデクスターとなって帰ってきた。アルバムジャケットから醸し出されるムード同様、トロピカルな音楽が詰まった佳作。
B.B.キング&エリック・クラプトン『Riding with the King』(2000)
90年代に本格的にブルーズに回帰したクラプトンが、長年のアイドルの一人だったB.B.と共演した作品。ジャケットに映った二人の車でのポジション、アルバムタイトルがそれを見事に表現している。なお、映画『ブルース・ブラザース2000』(1998年)では、二人はルイジアナ・ゲーター・ボーイズのメンバーとして出演。もの凄い顔ぶれだった。
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