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「TAP the COLOR」連載第162回
12月2日に11年ぶりとなる新作『Blue & Lonesome』をリリースするローリング・ストーンズ。全曲ブルーズのカバーであり、70代の彼らはデビューしたての20歳の頃へと原点回帰した。アルバムジャケットはブルー。ストーンズの長い歴史の断片をブルーで振り返ってみたい。
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『Blue & Lonesome』(2016)
ストーンズ11年ぶりのスタジオ作は、ブルーズのカバーアルバム。ブルーズから出発した彼らは「世界最高かつ最強のロックンロールバンド」になった。本作はブルーズの魅力をより若い世代に伝えるため、いつかは作らなければならなかった宿命の作品。リトル・ウォルター、ジミー・リード、ウィリー・ディクソン、ハウリン・ウルフ、マジック・サムなどの曲を取り上げた。
『Black and Blue』(1976)
ストーンズのブルーと言えばずっと本作だった。当時、ロン・ウッドを新メンバーに迎え入れたストーンズ第3章の幕開け的作品。ワルなR&Rやレゲエナンバー以上に、「Memory Motel」「Fool to Cry」といったメロウな曲が本作のロマンス。インナージャケット(下の写真)で夜のビーチに佇むメンバーの姿もそんな世界観を象徴。
『Through the Past, Darkly (Big Hits Vol.2)』(1969)
ストーンズのベスト第2集として、ブライアン・ジョーンズの死後に8角形ジャケットでリリースされた。オリジナルには未収録の2つのナンバーワン・ヒットかつ、彼らの代表曲である「Jumpin’ Jack Flash」と「Honky Tonk Women」がハイライト。激動の1960年代後半〜70年代前半。ローリング・ストーンズは世界の中心だった。
『Emotional Rescue』(1980)
70年代にリリースしたすべてのオリジナルアルバムがナンバーワンになつたストーンズの、本作は80年代のスタート作。もちろん1位を獲得。キースの歌う「All About You」は名曲。ちなみにまだレコードデビュー前の1962年。キース・リチャーズはメンバーたちにこんなことを言ったそうだ。
俺たちが何をしようとも、まずもって俺たちがヒットパレードの中に入るわけがないよな。俺たちの音楽では不可能だよな。俺たちはマイノリティなんだ。でも本当に頑張っていい曲を作ったら、みんなにも俺たちと同じものを好きになってもらえて、少しはファンができるかな。
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