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「TAP the COLOR」連載第23回
狂気の凄腕ギタリスト、ピーター・グリーンを看板とした1960年代のホワイト・ブルースバンドから、低迷期を経てのイギリス人とアメリカ人男女混成グループ/3人のシンガーソングライター体制としての転身は余りにも鮮やかだった。そんなフリートウッド・マックの白い4枚。
【フリートウッド・マック最新情報】
今年9月末より再結成ツアーを行うことが発表されました。待望の新作もリリース予定。
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フリートウッド・マック『Fleetwood Mac』(1975)
ミック・フリートウッド、ジョンとクリスティン・マクヴィー夫妻は、バンドの立て直しとして無名のアメリカ人デュオを招き入れる。リンジー・バッキンガムとスティーヴィー・ニックスだった。これが独自の音の世界を生み、1年後には遂に全米1位を獲得。新たな伝説が始まった。
フリートウッド・マック『Rumours』(1977)
グループの最高傑作にして驚異的なヒット作。ビルボード31週1位、全米だけで約2000万枚を売り上げる。マクヴィー夫妻、リンジー&スティーヴィーそれぞれの愛の終わりの渦中に制作。この作品を「音楽的なソープオペラ」と語ったリンジー。ゆえに緊張感や喪失感漂う名作。
*このアルバムを購入される方は、ぜひ「Silver Springs」という曲が入ったデラックス版をオススメします。スティーヴィーによる隠れた愛の名曲です。当時はシングルのB面として発表されてアルバムには未収録になってしまったことから、彼女は相当怒ったようです。
フリートウッド・マック『Tusk』(1979)
前作から2年、過大な期待を受けた2枚組。1位には至らずに評価も今ひとつだったが、恐ろしいくらいの名曲とグループの美学が詰まっている。中でもスティーヴィーの楽曲が素晴らしく、「Sara」「Storms」などに痺れる。彼女は81年以降、ソロをメインに活動していく。
フリートウッド・マック『The Dance』(1997)
92年の大統領選挙でクリントンのテーマソングになった「Don’t Stop」(『Rumours』収録)で人気が再燃。97年にはMTVの企画で再結成ステージが実現し、このライヴ盤がリリースされた。もちろん全米1位。フリートウッド・マックとは、やはりこの5人のメンバーなのだ。
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