★ダウンロード/ストリーミング時代の色彩別アルバムガイド
「TAP the COLOR」連載第333回〜BLUE〜
(3月に亡くなった主なミュージシャン)
ロック:チャック・ベリー、ジョン・フィリップス(ママス&パパス)、リチャード・マニュエル(ザ・バンド)、キース・エマーソン(EL&P)、ポール・コゾフ(フリー)、アンディ・ギブ、ランディ・ローズ、マイク・ポーカロ(TOTO)、イアン・デューリー
ポップ:ダスティ・スプリングフィールド、ダン・ハートマン
カントリー/フォーク:パッツィ・クライン、ジョーイ・フィーク
ブルーズ/R&B/ソウル:Tボーン・ウォーカー、ジェイムズ・コットン、ローウェル・フルソン、アーサー・クルーダップ、ジョン・ベルーシ(ブルース・ブラザース)
ヒップホップ/ラップ:ノートリアスB.I.G.
ジャズ:レスター・ヤング、チャーリー・クリスチャン、チャーリー・パーカー、ジャッキー・マクリーン
その他:マントヴァーニ、セルジュ・ゲンスブール、フィル・ラモーン、フランキー・ナックルズ、ジェイコブ・ミラー(インナー・サークル)、セレーナ
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ダスティ・スプリングフィールド『A Girl Called Dusty』(1964)
英国が誇るモダンガール、ダスティのデビュー作。60年代に放ったトップ10ヒットは10曲(英国チャート)。当時人気だったガールズグループや女性ポップシンガー群の中でも、その存在感は眩しく、例えばデビューヒット「I Only Want to Be with You」を聴いたことがない人はいないはず。70年代には活動が低迷したが、80年代後半にペット・ショップ・ボーイズのリスペクトを受け、「What Have I Done To Deserve This?」の大ヒットで復活。また、サマンサ・フォックスらにもカバーされた。1999年3月2日、59歳で死去。
ママス&パパス『The Mamas & The Papas Deliver』(1967)
NYのグリニッチ・ヴィレッジのフォークシーンで活動していたジョン・フィリップスやキャス・エリオットらによる男女4人組のサード作。同時代のヒッピー/フラワーチルドレンに支持されたフォーク・ロック・サウンドで、プロデュースはダンヒル・レコードのルー・アドラー。アルバム全体から伝わってくるムードを感じることができれば、今でもあの激動の時代を疑似体験できる。この後、消えゆくカリフォルニア幻想に合わせるかのように4人は訣別。ソングライターとして非凡な才能を発揮したジョン・フィリップスは、2001年3月18日に65歳で死去。
フリー『Free』(1969)
活動期間が短く、世界的なブレイクは果たせなかったが、数ある英国のホワイトブルース/ハードロック・バンドの中でも記憶に残り続けるのがフリー。「All Right Now」のビッグヒットや日本人ベーシストの山内テツが在籍(第2期)していたことでも有名だ。解散後、ポール・ロジャースはバッド・カンパニーを結成してアメリカ進出を図った。ギタリストのポール・コゾフはソロで活動し、泣きのギターを披露。1976年3月19日、25歳の若さで亡くなった。
ジョーイ・フィーク『If Not For You』(2017)
日本でカントリー・ミュージックを追いかけている人は少ないが、ぜひ知ってほしいと思う人がいる。このジョーイ・フィークの歌声を初めて聴いた時、心が満たされたことを思い出す。夫と共にジョーイ・アンド・ローリーで活動。カントリーチャートで成功を収める。死の直前にリリースした『Hymns That Are Important to Us』はトップに立った。本作は死後にリリースされたソロアルバム。2016年3月4日、乳癌との闘病生活を送ったのち死去。40歳の若さだった。
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■中野充浩のプロフィール
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